歯科開業に成功しやすい年齢
このコラムを読んでくださっている先生は、いくつで歯科医院を開業する予定ですか?
早くは20代で歯科医院を始める方もいれば、40代後半になってから開業する先生もいます。
どの時期に歯科医院を開業するかで、先生の人生は大きく変わります。
開業を考えても、実際に決断するまで躊躇する期間があります。
「勤務して5年になりますが、もう少し経験を積んで開業します」
「開業したいのですが、景気が悪いのでもう少し回復してからにします」
このように、開業が先延ばしになる方もいます。
私は、こうした方にも「開業はなるべく早い方がいい」と話しています。
勤務の経験が4~5年あれば、歯科医院を開業するには十分だと思います。
それは、若い時の開業の方が成功しやすいからです。
歯科医院の開業を立ち上げから見ていると、若いうちに開業した先生の方が早く軌道に乗る傾向があります。
逆に苦戦している医院は、年齢が経ってから開業した比率が高いのです。
これには次の理由があります。
集客力がある
見た目の若い方が集客力があります。
一般のお店に若いスタッフが多いのは、お客さんからのイメージがいいからです。
自分で歯科医院を開業しても間違いなく若いスタッフを採用します。
老舗ホテルの年配のドアマンがいいのは、顧客との人間関係の蓄積があるからです。
新しくオープンした時は、その蓄積がないので若い人の方が集客力があります。
気力がある
自分が10代の頃を思い出すと、若い頃の方がテンションが高かった気がしませんか?
それは年を取っても同じで、20代と40代を比べると明らかに20代の方が活気があります。
人間は若い時の方が気力・体力があるので、その時期に開業した方が頑張れます。
患者さんからも「この先生は熱心だな」と感じてもらえます。
失うものがない
逆に年を取ると今まで築いてきたものを失う怖さがあります。
「開業しても今の年収を維持できるか?」
「失敗したらどうしよう」
そんな思いが過るのです。
失敗すると、今までの生活を失うリスクがあります。
そんな思いから、開業が先延ばしになることがあります。
開業時に「なるべく少ないお金で開業したい」という方もいます。
返済が終わる年齢を考えて、借金を増やしたくないからというのが理由ですが、あまり見劣りする歯科医院だと、集客力が落ちてしまいます。
若い時に開業すると、まだ何も築いていないので、失うものがありません。
収入も、良くなる期待の方が高いです。
気合いを入れて頑張れて、借金を背負っても前向きです。
治療の技術は、間違いなく年齢を重ねた方が高くなりますが、患者さんには伝わりにくいです。
評判は、診療を受けた患者さんの口コミで判断されます。
「やさしい」「明るい」といった項目が判断の中心になり、治療そのものが評判になるには、時間がかかります。
年齢と共に技術を積み重ねるよりも、テンションや気合いが落ちるマイナスの方が大きいのです。
こうした理由で、早くに歯科医院を開業することをおすすめしています。
もし、年齢を重ねてから開業する場合は、昔の気持ちを思い出して「自分は開業医としては初心者だ」という意識で挑みましょう。
開業に躊躇している方は、ぜひ早めに開業して、早く成功を勝ち取ってください。
開業を決断したら、何をしたらいいのか? という疑問に、こちらのコラムでお答えしています。
執筆:税理士 森川 敏行(プロフィール)